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グラン・マルニエ

 

 

女性雑誌は面白いと思う。





今から六年程前まで俺は、
サラリーマンとバーテンダーの二束の草鞋を履く生活を送っていた。





女性誌を読むようになったのは、
その当時、社内の女の子がいつも読んでいたのを、
何気に読んでからだと思う。





俺はあまりファッションに興味はないが、
女性雑誌をパラパラ捲っていると、
お洒落に気を使う女性の気持ちというものが、

少しは理解できる気がする。





確かに男の目から見ても、
四季折々に変わるそのファッションは可愛いと思う。





もし自分が女性なら、
間違いなく興味をそそられる事だろう。





あれは何という雑誌だっただろうか―――





どうしても思い出せない。





が、今でも記憶に残るポエムがある。







【グラン・マルニエのソーダ割り】







レシピは簡単だ。





グラスに氷を落しグラン・マルニエを注いでソーダで満たす。





ただこれだけ。





だが、このグラン・マルニエとソーダ。





この分量をある比量にすると、
願い事が叶うのだという。





ただの1mlも増減してはならない。





このポエムを読んだ後、
それほど好きでもないグラン・マルニエのソーダ割りを、
何度かバーでオーダーしたことがある。





何度飲んでも美味しいとは思えなかった。





俺の嗜好には合わないのだ。





しかし、【願い事が叶う】というフレーズが今でも気になっている。





いつか、その分量に合ったグラン・マルニエのソーダ割りに出会えることがあるだろうか。





願い事だけは考えておくべきかも知れない。